篠山紀信
非常にバブルだ。
アートからエロまで色んな雑誌で消費されてきた写真表現の生き証人。
個人的にはそんな感じ。
入展前は
時代の「そうあってほしい」という妄想やら思いを形にして提供してきたひと。というイメージだったが、もう少し驚きを伴ったものとして本人は打ち出している。
(内容にネタバレあり)
そうきたか。
展覧会はいきなり
死者からはじまる。
某ご人の抜刀姿や演歌の人はさすがに迫力だが
そんなことより、渥美清の寅さんは良い顔しとる。
渥美清やりもフーテンの寅さんだ。
文句ない。
勝新さんの異様さ
大原麗子の女優らしさ
あとは原田美枝子が綺麗だったのと
ダライ・ラマと加賀まりこのコントラスト
野田さんと大竹さんのコンビネーションが面白かった。
圧巻だったのは篠山紀信集合写真の凄さだ。
なるほどウマイ。
統一するとこ、らしくするとこが写真の被写体でよく考えられてると痛感させられた。
豊島園もディズニーランドもAKB48も相撲も刺青のひとも群舞の様に「らしく」撮る。
はぁ。
ん?
気になったのは宮沢りえの右のおなかにあざ?
ベルトの跡?
があったこと。
あんなの発表時にあったっけ?
(当時高校生だったから別な部分に注目だったんだろうなぁ折れ…)
総括的には言葉こそ違うが「思いや記憶をひもづける写真、スゲーをだし続ける。」
「顔。」
というのが大体の篠山紀信の信条らしい。
ということは本人のウマイとことうまくない目標部分が内在してるようにも思う。
最後に被災地のひとの写真を並べてお別れな感じにしていたが、あそこはリップサービスと紀信らしからぬ予定調和のきかなさからくる間の悪さがあった。
(生々しい迫力は紀信の真骨頂じゃない気がする)
あと来歴が面白かった。
淀橋区柏木の寺の生まれだそうで割りとご近所さん
大学は日大芸術学部、在学時にライパブと契約。
大学を出たら既に第一線で商業写真家として食って行っていたらしい。
何がそうさせたかは知らないが、海外に出かけ、ビエンナーレで紹介されたり、やるべき役をぴたりとこなした様にウマイこと前進を続け尚も前進している様子。
ぐぬぬ
同じカメラという物体を握りながら、こうも世の中では差がでるのか!?
笛吹きとフルート吹きの違いは金を稼げないか稼ぐかの違いだとニューヨークストーリーでは語られていたが、更に何か別なものもご一緒している様子。
運も実力のうちではなく、運こそ実力の最大のファクター。
勝負はそこから。
という感じなのを感じた。
高度経済成長、バブル、スター誕生、マス媒体の加速…
そして、ここから個人戦、ひととなり、コネクション、腕、部下からの人気、雰囲気などなど。
まぁ、なんにせよ篠山紀信は凄いということはわかった。
時代の死を見届ける写真家としてまだしばらく頑張るんでしょうね。
(ずっと現役とか凄いを通り越してるよな。)
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